こんにちは、今日はナラ枯れのちょっとした知識です。
始めに断っておきますが、以下の内容は専門的なものではありません。したがって、カシナガの興味深い生活史などはここでは書くつもりはありません。
★意味
ナラ類などの木が枯れてしまう現象をいいます。
京田辺キャンパス裏山で上記にあてはまる樹木
⇒圧倒的に「コナラ」ですね。
(その他:クヌギ、アベマキ、クリ、アラカシ、シラカシ、スダジイ、マテバシイ)
★枯れて何が悪い?自然の摂理ではないの?<一般的に本に書いてある内容>
○森林の景観が損なわれるおそれがあります。
○建物が近くにあると急な倒木が起こる可能性があって危険です。
○森林の機能(水を一定に保つ機能、土砂災害の防止機能など)が低下してしまう恐れがあります。
★枯れるまでの流れ<イメージです>
わずか、5mmほどの小さな虫(カシノナガキクイムシ(通称カシナガ))が、
カビの仲間であるナラ菌を持って木の中に入ります。<産卵、子育てのため>
↓
ナラ菌が木の中で増殖を続けます。
↓
木が「もう耐えられない!」となって枯れてしまいます。(あくまでイメージですので・・・)
★そもそもいつから起こっているの?
古くは1930年代から各地で点々と確認があったそうです。
1980年代以降、毎年被害が広がりつづけています。
1980年というのが一つポイントとなる数字です。
我々はまだ生まれていませんが、1970年代には燃料革命がおこりました。
→ 燃料源が「里山の樹木由来のもの」→「石油石炭」へと大きく変化した時期です。
つまり、森林の利用が劇的に減りました。
本来、15~30年サイクルで伐採してきた木が伐採されなくなることで
木は大きくなり、老木化します。
年をとっているので木としての力が弱まっている上に、中でナラ菌が増殖、そしてカシナガが食い荒らします。
もうたまったもんじゃないでしょう。。。そして枯れてしまいます。
実際、ナラ枯れの被害を受けやすいのは、太く老木化した木だと知られています。
★ナラ枯れのサイン
こんなものが見られたらナラ枯れの可能性大です。
○幹にカシナガの入った穴(直径約2mm)がある。
○木の根元や樹皮にフラスという木屑のようなものがたまる。
○紅葉シーズンではないのに葉っぱが枯れている。
こんな感じですがいかかでしょうか?
同志社大学裏山は現在、ナラ枯れ進行中です。細い木が多い分被害は少ないのかもしれません。
ヒトの目で見て”悪い”と思うことでも、それはあくまでヒト視点から見たものに過ぎません。
他の生物にとってはどうなのでしょうか?
みんなの目で確かめ、観察し、総合的に考えてから伐採の有無はきめたいと思います。
なんとなく「悪い」から伐採!!ではいけないと思います。理系的に、根拠をもって。。。
(文責:小林)